下肢編

O脚の原因と評価方法

O脚の原因と評価

本記事では私の周囲でも悩まれている方が多い”内反膝”(O脚)の原因、評価方法を中心に発信します。
(アプローチ編は次の記事で発信させていただきます)。

O脚とは

O脚とは専門用語では”内反膝”と言われ大腿骨の遠位端と脛骨の近位端から構成される大腿脛骨関節が外側に変形することを言います(図1)。

O脚は内側型の変形性膝関節症のリスクを高め、さらに変形性関節症の進行を加速させることが報告されています1)。

これまで経験してきたO脚の症例

私は仕事の中でO脚を呈し膝の内側に痛みがあり困っている方を担当させていただくことがよくあります。

また30-40代の同年代の友人からは、O脚の見た目が気になり、短パンを履きたくて恥ずかしくて履けない、海に行くこともできない、治らないの?と相談を受けることもあります。

さらに最近は子供達の保育園の送り迎えをしているとお子様(2歳以上)でも稀にO脚のお子様を見かけることがあります。

このようにO脚は”痛み”の原因になったり、見た目の”コンプレックス”になったり、多くの年代で悩まれている場合が多いと感じます。

私の子供達は教科書で書かれている通り、生まれれ1年半程はやや内反膝でしたが、2歳頃から反対に外反傾向になってきました(2021年11月時点)。

個人的に幼少の我が子を近くで見て、さらに仕事上ではご高齢の方を近くで担当させていただき、年齢的には両極端の方々に接していると一点疑問を感じることがあります。

それは成人になると膝の骨自体の反対方向に形状は変化しずらくなるのに、なぜ子供は2年間という短い期間で内反から外反へと反対方向へ形状が変化するのか?

この辺りの理由についても意外と知られていないと思いますので後述します。

O脚の原因

大きく分けて3つに分類されます。

  1. 関節関連の異常:関節炎、骨端の形態異常 など
  2. 身体の内側に影響を与える異常:外傷、骨髄炎、ブラント病、ターナー病 など
  3. 大腿骨・脛骨の弯曲を引き起こす異常:腎性骨異栄養症、骨形成不全症、多発性骨端異形成症、オリエ病 など

上記の各疾患の詳細については割愛させていただきますが、代謝性疾患、骨格の異形成、非対称性の成長などが関連しています。

幼少期に骨の形状が大きく変化するメカニズム

生まれて1歳くらいまでの歩けるようになる前は、ほとんどの子供はO脚であり、2歳くらいまではO脚であるのが正常です。

その後、積極的に体重支持をするようになると徐々に大腿脛骨関節はX脚方向に形状が変化します。

子供達と遊んでいると、まだ筋力も不十分ながら、高いところからジャンプしたり、全力で走ったりと、変形がある中でよくこんなにハードに動きまわっても痛くならないと不思議に感じるほどです。

この原因は専門家の方であれば解剖学の授業で習われている”モデリング”が関係しています。

モデリングとは骨の代謝のことで、”成長期”に骨が形成されることを言います。

よってO脚は膝関節の内側に圧縮のストレスが多くかかるため、その結果、大腿骨と脛骨の内側顆の成長が加速して大きくなるため、大腿脛骨関節は反対にX脚方向に変化する仕組みとなっています。

このように子供達は痛みが出るようなストレスがかかった場合には、骨が成長してストレスを回避できるように変形する仕組みが備わっています。

内反膝の評価方法

医療機関を受診された場合はレントゲンによる検査を元に判断されます。

ただ医療機関を受診せずとも簡易的な検査は可能です。それは顆間距離テストです(図2)。

テスト方法は、両足の脛骨内果を接触させた状態で立位姿勢をとっていただきに、両足の大腿骨の内側顆の間の距離を測定します。

判定基準と注意点

両足の大腿骨の内側顆が接していれば正常(図2-a)、離れている場合にはO脚であると判断できます(図2-b)
両足の距離が長くなればなるほど内反膝が強度であると言えます。
ただ顆間距離テストの欠点は体のサイズが影響してしまうことです。

同じ量のO脚の角度(内反角)であっても、体が大きい方が距離が離れてしまいます。
よって顆間距離テストは患者さん個人の治療前と治療後の変化には使用できますが、他の方と比較する時には使用することはできません。

本記事では”O脚”の定義、原因、評価方法、評価時の注意点について整理し、子供と高齢者の内反膝の違いについても触れました。

O脚防止に対してリハ職ができること

O脚の原因には以下の4つが報告されています。

  1. 遺伝
  2. 人口動態
  3. 生体力学
  4. 活動固有の要因

その中でも特に③の生体力学はリハビリ職が最も専門で介入できます。

生体力学的に正常な膝関節のアライメントを保持するためには以下の2つが重要です。

  1. 筋力
  2. 筋の柔軟性

②の筋の柔軟性に注目し、O脚を防止するためには、どの筋の柔軟性が特に重要であるのか確認します。

どの筋の柔軟性が低下するとO脚の原因になりやすいか?
これが分かると、O脚に対してアプローチすることができます。


ご興味のある方は下記よりご確認ください。

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