こんにちは、吉田俊太郎です。今回のテーマは、下肢長のランドマークや膝を代表する外側側副靭帯や腓腹筋(外側頭)や膝窩筋など靭帯・筋の付着部でもあり、代表的なランドマークとなっているのが「大腿骨外側上顆(だいたいこつがいそくじょうか)」です。

1. 大腿骨外側上顆を触診する臨床的意義

膝外側の周囲には、外側上顆の他にも腓骨頭ジェルディ結節(Gerdy結節)、腓骨頭、脛骨粗面など、多くの突起部が存在します。
そのため、まずはこれらを正確に触り分けることが評価の第一歩となります(図1)。

図1

大腿骨外側上顆の触診が必要な具体的な臨床場面としては、以下のようなケースが挙げられます。

① 下肢の形態測定(図2)
=大腿長・下腿長を測定する際の重要なランドマークとなります。

図2

軟部組織の付着部の評価(図3)
=外側上顆には、外側側副靭帯(LCL)腓腹筋外側頭膝窩筋などが付着しています。

図3

③ 腸脛靭帯炎(ランナー膝)の評価(図1)
=腸脛靭帯は外側上顆の上を通過します。摩擦による痛みの部位を特定するために、外側上顆の正確な位置把握が不可欠です。

④ 下肢のアライメント評価

2. 触診に役立つ解剖学的エビデンス

外側上顆をより確実に見つけるために、以下の研究データを知っておくと役立ちます。

突起の大きさと個人差

外側上顆の直径の大きさは平均7.9mmですが、個人差が大きく、10mm以上ある方もいます(図4)。
論文では、外側上顆が大きい場合、腸脛靭帯炎になりやすいという報告もあり、形態そのものが臨床推論のヒントになることもあります。

図4

内側上顆との位置関係

外側上顆が見つけにくい場合は、より突出が大きく分かりやすい「大腿骨の内側上顆」を基準に触診してみてください。具体的には以下の2つの知識が役立ちます。

上顆軸(図5)
前額面から外側上顆と内側上顆の高さを比較した時に、外側上顆の方がわずかに下方に位置することが報告されており、具体的には平均88.5°と報告されている。これを上顆軸という。

図5

臨床軸(図6)
水平面から外側上顆と内側上顆の位置を比較した時に、外側上顆の方が後方に位置しています。

図6

※大腿骨の内側上顆の触診方法や臨床活用についても発信しておりますので、ぜひ合わせてご覧ください。

3. 実践!外側上顆の触診ステップ

以下の手順にて触診を進めるとスムーズです。

手順1:患者さんのポジショニング(図7)
患者さんのポジションは触診側が上になる側臥位としてください。

手順2:大腿骨外側顆の中心で外側上顆を触診(図7)
別動画:大腿骨外側顆の触診動画にて
※②で外側上顆がうまく触診ができない場合には患者さんの膝関節を膝関節を「屈曲」させてください。
ここが最大のポイントです。膝を伸展した状態では、上を通過する腸脛靭帯などの組織が緊張して骨が触れにくくなります。膝関節を屈曲させることで、付着する靭帯や筋が緩み、外側上顆が格段に触診しやすくなります

図7

手順3:内側上顆との位置関係を確認(図8)
前述の通り外側上顆よりも出っ張っているため触診しやすい内側上顆を触診し、内側上顆よりも「やや下方かつ後方」を辿って外側上顆を見つけます。

図8

大腿骨外側顆の解剖学、触診方法、臨床活用について以下の動画をご参照ください。

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